小児矯正

悪いかみあわせ(不正咬合)に関して、例えば親が「出っ歯」だと子どもも「出っ歯」になりやすいのは、歯のはえてくる時期や骨の発育の仕方などに遺伝的な条件が影響するためです。
こうした遺伝的な要素の他にも、子どもの頃の指しゃぶりや乳歯のむし歯、口呼吸、かみ癖、舌の癖といった要素によっても、歯のはえかわりや顎の成長する過程で不正咬合が作り上げられます。
不正咬合をそのままにしておくと、機能面での問題が起こりやすいだけでなく、笑顔に自信が持てなかったり、歯に対するコンプレックスから人間関係でも消極的になりがち。 また、発音が不明瞭になりやすいほか、歯をしっかり食いしばることができないために運動能力も低下しやすいことが報告されています。
当院では、成長発育期の不正咬合の原因に対して、できるだけお子様の負担にならないような夜間に使用する取り外しができる装置を使用して、早期にゆがみかけた歯やアゴのコントロールに積極的に取り組んでおります(抑制矯正、予防矯正)。

 

不正咬合の原因になったり、そのままにしておくと歯列・咬合に影響を与える悪習癖があります。

 

お子様に使用する取り外しができる矯正装置

(寝る時に使用してもらうことが多いです)

小児の矯正と食育

この時期に行なう矯正治療はゆがみかけた歯やあごをいい状態に誘導する予防的な矯正治療です。治療を開始する時期がとても重要といわれています。
また、最近【表1】のようなお子様が増えてきたといわれており、このようなお子様が増えてきたのは、 あまり噛まない、軟らかい食べ物ばかり食べている ( 軟食 ) などによると思われます。
食事のマナーに関しては、一人で食べる ( 孤食 ) ことが多くなり、お手本となる大人が一緒に食べなかったり、注意してくれないというだけでなく、歯並びが悪い、唾液が少ない、鼻炎アレルギーなどで口呼吸などもマナーを悪くしている原因と考えられています。
このようなお子様の歯ならびの治療や悪い習慣(噛みかたや舌、くちびるの正しい使い方の指導(筋機能療法)を改善して食育にも貢献できればと考えています。

【表1】
最近の子ども達の気になること
1.虫歯は減ってきたが、歯肉炎が増えている
2.噛めない、飲み込めない(水分で流し込み、軟食)
3.食事のマナーが変(早食い、一点食べ、ペチャペチャ音、丸呑み)
4.唾液の出が少ない、粘調(噛まない、偏食、味音痴)
5.親知らずが生えない(顎が小さくなった )
6.口が開いたまま(鼻炎アレルギー、指しゃぶり、低位咬合、口腔内が小さくなった)
7.歯並びが悪い(乳歯列から叢生、過蓋咬合、開口、噛まない)