歯周病が全身に及ぼす影響①高血圧

歯磨きが不十分で歯の表面に付着したねばねばの粘着物(歯垢)中の歯周病菌が歯肉を攻撃して体の中に侵入しようとします。これに対して体は菌の侵入を止めるために菌への攻撃を開始します。この攻防が歯肉の炎症(発赤、腫脹,出血)で、歯周病の始まりとなります。特に歯肉からの出血は歯周病菌と白血球の攻防の証です。

この炎症によって出てくる毒性物質が歯肉から血管に入り様々な全身への影響を引き起こし、最近では歯周病と全身疾患の関連性が多く報告されるようになりました。

今回は、高血圧との関連を取り上げてみます。

F.D.Aiuto先生らがHypertentionに発表した論文としてCareNetが伝え、矯正臨床ジャーナルの2021年6月号に掲載された内容が次のようなものでした。「研究対象は重度の歯周病の成人250人と歯周病のない250人で年齢中央値35歳で女性が5割強でした。収縮期血圧が140mmHG 以上の割合は歯周病群が14%、対症群が7%と歯周病群のほうが多く2倍認められました。収縮期130、拡張期80以上を高血圧とすると、高血圧の割合は歯周病群が多く約50%、対症群は42%でした。また、歯肉出血や歯周ポケットの深さなどから判定した歯周病の重症度と収縮期血圧は正の相関を示しました。さらに、歯周病群は対症群に比較して血糖値、LDL(悪玉)コレステロール、炎症レベルが高く、HDL(善玉)コレステロールが低い状態でした」これらの結果から歯周病と高血圧の間に相関があることが示唆されたと報告しています。