歯周病が全身に及ぼす影響 ②糖尿病

前回は「歯周病と高血圧」の関係を取り上げましたが、今回は「歯周病と糖尿病」の関係をピックアップします。糖尿病には特有の合併症として①目の病気である糖尿病性網膜症 ②神経障害である糖尿病性神経障害 ③糖尿病性腎症の3つが挙げられています。この他に動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中を併発しやすい、傷の治りも悪くなるなども指摘されています。

また、歯周病は「糖尿病の6番目の合併症」と認識されるようになりました。糖尿病があると歯周病が進行しやすく、特にヘモグロビンA1cが7%を超えると糖尿病の悪化も早まるとされています。

さらに、逆に歯周病があることで、血糖値が下がりにくい状態になっていることも分かってきました。歯周病の原因菌が産生する内毒素が体内に侵入し、これを排除するために体が反応し悪玉物質を作ってしまうからです。この悪玉物質は本来太った人の内臓脂肪で産生されインシュリンの作用を障害する物質と同じものです。

このために、歯周病を治療して内毒素の体内への侵入を防ぐことにより血糖価の改善が期待されると考えられるようになってきました。近年では医科領域でも糖尿病の管理の一環として歯周病管理の重要性が浸透してきました。(日本歯科医師会 テーマパーク8020より一部抜粋)